宮流神楽 曲の解説  前の曲へ 次の曲へ 上のページへ トップページへ
庄中囃子

いろいろな呼び名
庄中囃子、馬鹿囃子 --- 笠寺
近崎囃子 --- 大府
? --- 日進

音源
笠寺系: 庄中囃子

楽譜
宮流系: 宮流神楽練習用楽譜 熱田系: 熱田神楽練習用楽譜

解説
この曲はややアップテンポで、明るく楽しい感じのノリの良い曲です。全部で3行しかなく、シンプルでで覚えやすいです。馬鹿囃子とも呼ばれますが、この単純な曲の構成を指して、そう言っているのかもしれません。

庄中という言葉については、笠寺保存会の中では、よくわからないというのが一般的な意見です。ただ、調べてみると庄中(尾張旭市庄中町)という地名(昔の庄中村)がそれほど遠くないところにあり、ひょっとしたら関係ががあるのかもしれません。日進市は尾張旭市に比較的近い位置にありますが、日進市でこの曲が何と呼ばれているかについては、残念ながら手元に資料がありません。

大府では近崎囃子と呼ばれており、これも近崎地区(大府市北崎町)と関係がありそうです。長谷川佐一氏が活躍した大府市北崎町は、昔の北尾村と近崎村が合併して出来たという町です。

いずれにしても、宮流神楽とは全く別のもので、名古屋市東南部〜日進〜豊明〜大府あたりの比較的狭い範囲に広がっている土着のお囃子ということでしょう。宮流神楽は幕末〜明治初期にかけて急速にこの地域に広がったものですが、その前から土着の里神楽はあったはずで、この庄中囃子は、宮流神楽が広がる以前からあった古い曲ではないかと、私は考えています。
植田囃子という雰囲気が良く似た曲がありますが、分布範囲も良く似ており、江戸時代ぐらいに同じような広がり方をしたのかもしれません。

メロディは、日進と大府は非常に似ていますが、笠寺は最初の部分が多少違っています。



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