宮流神楽 曲の解説  前の曲へ 次の曲へ 上のページへ トップページへ
稲荷 / お天道

いろいろな呼び名
稲荷 --- 亀崎(現在版、間瀬版)
曲名不明の5 --- 大府(北崎版)
曲名不明の2 --- 大府(横根版)
お天道 --- 笠寺、高針
お天登、お天燈、お燈道 --- 笠寺
天狗囃子 --- 中根
七夜の舞 --- 比良(河北)
てんぐるま --- 比良(河南)

音源
演奏音源: 稲荷 / お天道 練習音源: 稲荷 / お天道

楽譜
宮流系: 宮流神楽練習用楽譜 熱田系: 熱田神楽練習用楽譜

解説
昔の名人である、亀崎の船橋政一氏と日進・知立の幸村元一氏は、兄弟弟子だったはずなのに、幸村元一氏はこの曲を吹いてはいなかったようです。その師匠(コンドウエンジロウ氏)が吹いていなかったのかもしれません。亀崎の間瀬版楽譜(昭和44年)に載っていて、知立の幸村版楽譜(昭和56年)に載っていない3曲(稲荷・若山浦坂)のうちのひとつです。

亀崎の稲荷は、曲の1番最初の部分の指使いが八-2-3と下の手から始まりますが、笠寺のお天道は5-5と上の手から始まります。大府では、古い音源や長谷川版楽譜(昭和53年)では、笠寺と同じように上の手から始まりますが、最近の音源では亀崎と同じように下の手で始まっており、途中で亀崎から何らかの影響を受けたのかもしれません。

笠寺では、現在この曲はお天道(おてんとう)と呼ばれていますが、文献的には「天道神楽」「天登神楽」「天燈神楽」「燈道神楽」などの文字もあり、どれが本来なのかはっきりしません。
また、笠寺では「お天道の裏」という曲もありますが、この曲との関連性もはっきりしません。なお、お天道の裏は、亀崎の梵天返し(=知立の下がり葉)に相当します。

曲は4行しかなく、演奏は比較的簡単ですので、笠寺系では、七間町とともに初心者が最初に習う曲のひとつです。亀崎の稲荷は、笛は簡単ですが、1行目が通常よりも2拍多いので、太鼓の方は、出だしに注意が必要です。


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