宮流神楽 曲の解説  前の曲へ 次の曲へ 上のページへ トップページへ
神明崩し / 神明神楽の裏

いろいろな呼び名
神明崩し --- 亀崎(現在版、間瀬版)、春日井(上八田)
神明の裏 --- 知立(幸村版)
神明神楽の裏 --- 大府(北崎版、横根版)、笠寺、高針郷

音源
演奏音源: 神明崩し神明神楽の裏 練習音源: 神明崩し(新)神明崩し(旧)
          / 神明神楽の裏

楽譜
宮流系: 宮流神楽練習用楽譜 熱田系: 熱田神楽練習用楽譜

解説
この神明崩し/神明神楽の裏は、神明神楽と対になっている曲ですので、そちらのページも参考にしてください。

神明の方は、中助の問題以外、曲の構成やメロディに関しては、亀崎・大府・知立と笠寺系の違いはほとんどありませんでした。しかし、裏の方に関しては、笠寺の神明神楽の裏は27行あるのに対し、亀崎・大府・知立は19行しかなく、かなり省略されている部分があります。中助もなく省略された形で吹いているこれらの地域では、神明崩し(神明の裏)が、なぜ神明神楽と関係があるのか不思議に感じられているのかもしれません。

まず、笠寺の神明神楽(中助あり)と神明神楽の裏を比較して考えてみましょう。
笠寺の神明神楽(中助あり)は、A(7行)+B(5行)+C(4行)+A(7行)+D(6行)+B(5行)の構成になっています。Aの後ろ3行とBの後ろ3行は同じフレーズで、Bの部分はA’といっても良いでしょう。つまり、(A-A’-C-A)-(D-A’)と、起承転結の形式が整った部分に、中助と呼ばれる(D-A’)の部分をくっつけた形になっています。

これが長すぎるという理由かどうかはわかりませんが、中助部分(D-A’)を分離独立させようという流れが出てきて、A部分を編曲して出来たP(7行)とそれをオクターブ上げて少し変えたP’(7行)、及び全く別の高音部分Q(4行)を中助の前にくっ付けて、起承転結を完成させ、独立した曲に仕立て上げたものが、神明神楽の裏であると言えると思います。PはAを編曲したものですから、A’はP’’とも言えるわけで、P(7行)-P’(7行)-Q(4行)-D’(4行)-P’’(5行)という構成になっています。
D’としたのは、Dの頭の2行分がカットされているからですが、その2行は間奏的な感じのするメロディのフレーズで、中助自体が間奏的な部分をはさんで後から追加された部分であることを、裏付けているのではないかと考えています。

亀崎・大府・知立の神明崩し(神明の裏)は、2つ目のブロックのP’を省略しており、さらにPの部分の3行目を省略しています。そのため、合計で8行分短くなっているわけです。つまり、P(6行)-Q(4行)-D’(4行)-P’’(5行)という構成(全部で19行)で、PとP’’の部分の後ろ3行が、神明にも出てくるということ以外、神明との関連が見えなくなっています。
ただ、亀崎の現在版の楽譜、および幸村元一氏(知立)・長谷川佐一氏(大府)は、この19行のパターンで吹いていますが、亀崎の楽譜の間瀬版(昭和44年)では、PとQの部分の間にP’’(5行)が記載されており、起承転結の形式をきちんと備えています。しかし、笠寺では2番目のブロックはP部分をオクターブあげたPを編曲したものであり、神明の2番目のブロック(つまり、神明の裏の最後の部分)を持ってきた亀崎の間瀬版パターンは、聞いた感じはかなり違います。

亀崎・大府・知立と笠寺では、太鼓の打ち方が違い、神明も神明の裏も大太鼓の位置が2拍ずれています。亀崎・大府・知立では太鼓のフレーズが可変長なので、あまり問題は起きませんが、笠寺は6つ打ちと言って16拍で規則的に打っています。神明は、笠寺の打ち方では問題は起きないのですが、亀崎・大府・知立では高音部の直前で2拍短くし、高音部の直後に2拍長くして帳尻を合せています。逆に、神明の裏の方では、亀崎・大府・知立では普通に打っていてOKなのですが、笠寺では高音部の直前で太鼓を2拍長くし、高音部の直後で太鼓を2拍短くして調整せざるを得ないです。このあたりは、2つの太鼓の打ち方の成立と、神明神楽の裏の成立とに、何らかの関連があるのではないかという気がしているのですが、詳細不明です。

亀崎には、東組(宮本車)・石橋組(青龍車)・中切組(力神車)・田中組(神楽車)・西組(花王車)の5つの組があり、それぞれ特定の宮流神楽の曲と深い関係があります。このうち、東組が神明崩しで、宮本車の打ち囃子も神明崩しを編曲したものとなっています。


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